私の京指物 私の木工芸 私の七つ道具 第4話

2019年4月11日木工ブックスPosted近藤太一 Taichi Kondo近藤太一 Taichi Kondo

桶作りは木工の中でも特に沢山の道具が必要です。

鉋(かんな)などは仕事に応じた様々な種類のものが仕事場の壁一面に掛けてあります。大小合わせて300丁くらいはあるのではないでしょうか?

この辺を書き出すとキリがないので、今回はどんな仕事の時にも大抵使う愛用の道具について書きたいと思います。

玄翁(げんのう)これは修行時代に頭を買い求め、グミの柄を仕込んだものです。

桶屋が使う玄翁の特徴は、軟らかな杉や椹(さわら)などの材料を傷つけない様に打面が大きく、角を丸めてあります。

柄で桶の底板を打ち込む時にも使うので、柄の先も太く角は丸めてあります。柄に筋跡が付いていますが、これは桶の銅線の箍(たが)を微調整する時に、鉋台と玄翁の柄に箍を挟みこんでしごいて僅かに延ばす「輪延ばし」という工程で付いたものです。

 

小刀(こがたな)
小刀は今まで沢山手にしてきましたが、結構当たり外れがあるので今はこの2丁がスタメンです。ずいぶん研ぎ減ってきましたが、切れ味が増してきているような気がします。

柄と鞘は桐で作ってあります。軽くて柔らかく素材を傷つけないですし、長時間使っても手に汗をかかないので具合がいいです。

 

コンパスと内パス
丸い桶の底板を作るときの必需品です。

内パスで必要な底板の直径を実測して、コンパスで罫書きます。 ボールペンの芯を仕込んでいるのは線の太さが変わらず見えやすいからです。

小鉋(こがんな)
手のひらよりも小さな小鉋です。これも修行時代に買い求めました。

桶の仕上げの時に細かな箇所を面取する時に使います。反り台の方は桶の内側の丸みに合わせて自分で台を直しました。

 

銑(せん)
桶の側板の荒削りをする為の丸みのついた外銑と内銑。

真っ直ぐの平銑は、鉋では削りにくい針葉樹の木口を刃渡りを活かして滑らかに削ることが出来ます。

この平銑は弟子入りして間もない頃に大阪四天王寺の古道具市の片隅で錆だらけのを見つけて購入したものです。初めて買った桶道具でした。

研ぎ方も分からないところから、少しずつ覚えては手入れをして、今では一番切れる無くてはならない道具になりました。

改めて普段必ず使う道具について書き出してみると手に入れた時のことを色々思い出しますね。桶の道具はまだまだ沢山あるのでまたご紹介したいと思います。